異国情緒楽しめる 吉祥寺Cafe RUSSIAカフェ・ロシア

f:id:deainokotonoha:20171229224317j:plain食べておいしい、と感ずる食事が減った。これは危険な兆候であると思った。というのは 現実世界への欲望が薄くなる、食欲の追求が減退するということは 死の側に一歩近づいたことになるのでは?!と考えたからだ。

そこで一計を案じた。時々 背伸びして休みの日にでも美味しいランチでも食べに行こうという計画だ。
我ながら妙案。

JR吉祥寺駅近くの地下1Fに ピンクがかったワインレッドの壁が印象的な Cafe RUSSIA がある。一度ロシア料理も食べてみたいと思い入店した。ロシア人(に見える)美人のシェフ、色白細身のロシア人ウェイターがきびきびと そして優雅に接客してくれる。若い日本人女性のお客のみならず女性客にはたまらないだろう異国情緒だ(お客のほとんどは女性客のような印象だった)。しかも店内はグルジアワインを思わせるワインレッドと白を基調とした内装で 上品なうえに気分も高揚してくる。

注文したのは 定番のボルシチ、肉ピロシキ、そしてウォッカだ。魅力的なワインのリストも気になったが、予算の関係上経済的に このロシア料理店の力量を試したかったのだ。まずボルシチが運ばれてきた。実に真っ赤だ。ビーツやキャベツ、牛肉(だろうと思う)を含め赤一色に染まった上に、中央にポテリと真っ白なサワークリームが乗っていて洗練された印象だ。
食べてみると意外、単なる塩味スープだったので驚いた。そのスープの実に素朴な味わいと 十分煮込まれて野菜のエキスで肉の毒が消されて美味しくなっているのが気に入った。ピロシキを食した。サクサクのパイ生地のような皮の中に、こちらもほとんど単に塩で味付けただけのような ひき肉の入った素朴そのものの味。美味などというものではなく、実直な味わいなのだ。

体格のいい中年のロシア人男性、女性をイメージしていただきたい。彼らの骨太肉厚な体格や自国への愛着は、日本や中華、東南アジア料理のように うまみ調味料などという科学物質には汚染されていない、そんな素朴な原初的家庭料理に根ざしていて 未だにいい意味で保守的なのだと覚った。

親ロシアという訳ではないが、吉祥寺Cafe RUSSIA のスタッフや料理に 敬意と感謝を表します。
ありがとうございます。